サディアスがベッド端に腰掛けたので、アリアはその隣に並んで座った。
「博愛主義を貫かねば、と思っていたが」
唐突にサディアスが話しだす。
「口うるさくそう言う者たちはもう、いなくなっていた。幼少期の刷り込みにこだわっていた己が馬鹿らしい」
サディアスは自身の膝に片肘をついてうなだれ、手のひらで顔の半分を覆ってちらりとアリアを見やる。
「そのことに気がついていれば、きみともっと早く……堂々と一緒に過ごせたのに」
アリアは穏やかな笑みを浮かべ、彼の右手に自分の左手を重ねた。
「サディアス様が日夜ご公務に励み、功績をお上げになったからこそ、だれも文句を言わないのではないかと――私は思います」
言ってしまったすぐにアリアは発言を後悔した。
「よくわかりもせず偉そうなことを言って申し訳ございません。その……とにかく、サディアス様は素敵で素晴らしいのです!」
両手にこぶしを作って豪語すると、サディアスはきょとんとしたあとで照れたように首を傾げて笑った。
「ありがとう、アリア。きみのおかげだ」
「私は、なにもしていません」
「そんなことはない。出会ったときからずっと、きみは俺の支えなんだ」
顎を掬われ、性急に唇を奪われる。同時に、白いナイトドレスの上から胸をまさぐられた。
「もしかしたら俺は……きみと遭遇したあの瞬間から、この日を待ち望んでいたかもしれない」
サディアスは「待ちきれない」と言わんばかりに、ナイトドレスの中央に結われて磔≪はりつけ≫にされていた蝶を解き放つ。
「きみのすべてを手にいれる今宵を、永く心待ちにしていた」
胸の前のリボンを解かれるとナイトドレスは全体が一気に緩む。シュミーズやドロワーズなど下着の類≪たぐい≫はいっさい身に着けていない。
ドレスを肩から落とされれば、すぐに乳房が明るみに出る。
アリアはいまになって、部屋のなかがとても明るいことに気がついた。
「サディアス様、ランプの灯≪ひ≫を……」
「んん? 増やすか?」
思いもよらぬ答えが返ってきたのでアリアは目を見張る。
「ふっ、増やすだなんて……!」
「俺はこれでも足りないくらいだ。もっと明るくして、きみの全身をくまなく眺めたい」
ドレスを腰のあたりまでずらされる。するとサディアスはすぐに、露になった肌を両方の手のひらで確かめた。
「きみの肌はいつ触れてもなめらかだな……」
感心したようすでつぶやき、ふくらみの稜線を登る。
「ん、ん……っ」
いただきを指のあいだに挟まれて円を描くように揉み込まれるとそれだけで気持ちがよくなって体が蕩けだしてしまう錯覚に陥る。
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「博愛主義を貫かねば、と思っていたが」
唐突にサディアスが話しだす。
「口うるさくそう言う者たちはもう、いなくなっていた。幼少期の刷り込みにこだわっていた己が馬鹿らしい」
サディアスは自身の膝に片肘をついてうなだれ、手のひらで顔の半分を覆ってちらりとアリアを見やる。
「そのことに気がついていれば、きみともっと早く……堂々と一緒に過ごせたのに」
アリアは穏やかな笑みを浮かべ、彼の右手に自分の左手を重ねた。
「サディアス様が日夜ご公務に励み、功績をお上げになったからこそ、だれも文句を言わないのではないかと――私は思います」
言ってしまったすぐにアリアは発言を後悔した。
「よくわかりもせず偉そうなことを言って申し訳ございません。その……とにかく、サディアス様は素敵で素晴らしいのです!」
両手にこぶしを作って豪語すると、サディアスはきょとんとしたあとで照れたように首を傾げて笑った。
「ありがとう、アリア。きみのおかげだ」
「私は、なにもしていません」
「そんなことはない。出会ったときからずっと、きみは俺の支えなんだ」
顎を掬われ、性急に唇を奪われる。同時に、白いナイトドレスの上から胸をまさぐられた。
「もしかしたら俺は……きみと遭遇したあの瞬間から、この日を待ち望んでいたかもしれない」
サディアスは「待ちきれない」と言わんばかりに、ナイトドレスの中央に結われて磔≪はりつけ≫にされていた蝶を解き放つ。
「きみのすべてを手にいれる今宵を、永く心待ちにしていた」
胸の前のリボンを解かれるとナイトドレスは全体が一気に緩む。シュミーズやドロワーズなど下着の類≪たぐい≫はいっさい身に着けていない。
ドレスを肩から落とされれば、すぐに乳房が明るみに出る。
アリアはいまになって、部屋のなかがとても明るいことに気がついた。
「サディアス様、ランプの灯≪ひ≫を……」
「んん? 増やすか?」
思いもよらぬ答えが返ってきたのでアリアは目を見張る。
「ふっ、増やすだなんて……!」
「俺はこれでも足りないくらいだ。もっと明るくして、きみの全身をくまなく眺めたい」
ドレスを腰のあたりまでずらされる。するとサディアスはすぐに、露になった肌を両方の手のひらで確かめた。
「きみの肌はいつ触れてもなめらかだな……」
感心したようすでつぶやき、ふくらみの稜線を登る。
「ん、ん……っ」
いただきを指のあいだに挟まれて円を描くように揉み込まれるとそれだけで気持ちがよくなって体が蕩けだしてしまう錯覚に陥る。