青年侯爵は今日も義妹をかわいがる 《 第四章 04


「ふっ……ぅ、ん――んん……っ!」

 詰襟のドレスはすっかり胸もとがしわくちゃになってしまった。
 コルセットごと激しく揉みまわされることでくるみボタンが外れてしまう。
 そのことに気がついたルイスはこれ幸いとばかりにほかのボタンも外していった。手探りでコルセットの紐をほどき、シュミーズの前ボタンを乱す。

「んぅっ……」

 彼の手が鎖骨のあたりを撫でて、ゆるんだシュミーズの内側に入り込んでふくらみをじかにつかむ。
 ルイスの舌もそうだが、彼の手のひらも、とんでもなく熱い。彼の手指が薄桃色の際をかすめるものだから、よけいにそう感じるのかもしれない。
 少しざらついたルイスの指先が乳房の表面をふにふにと押して不規則に沈み込む。ピアノの鍵盤をたたくように軽やかにそうされると、揉みしだかれるのとはまた違った快感を覚える。
 激しくされるよりも、どこかもどかしい。
 ちゅぷっ、と大きな水音を立てながら唇が離れる。急に口を解放されたので、「ふはぁっ」思いがけず大きな声が出てしまって恥ずかしくなる。

「カタリーナ……」

 熱に浮かされたようにつぶやいて、ルイスはカタリーナの首すじに顔をうずめる。
 彼の唇が肌に当たっている。それを実感した次の瞬間、チクリと鋭い痛みを感じた。ちゅうっという音が聞こえてきて、肌を強く吸われたのだとわかる。
 ルイスはカタリーナの首すじを強く吸うことで白い肌に赤い花びらを散らす。それから、彼女のふくらみの先端を指で押し上げた。

「ひゃ! あ、ぁっ」

 薄桃色のいただきを二本の指でリズミカルにつつきまわされる。
 恥ずかしさのなかにえもいわれぬ快感が紛れ込んでいる。
 乳頭を指でつまみ上げられ、くにくにと躍らされる。するとしだいに、羞恥心よりも快楽のほうが存在感を増していった。
 気を抜けば「気持ちがいい」と言ってしまいそうになる。

(でも、そんなこと――)

 恥ずかしくて言えない。

「ふっ、う……ぅ、んんっ……!」

 よけいに恥ずかしくなるような声が漏れ出てしまう。
 身もだえしてなまめかしい表情を浮かべるカタリーナをルイスはしげしげと見下ろしたあと、ふたつの豊かなふくらみを両脇から寄せるようにしてわしづかみにした。中央に並び立つ薄桃色の棘に唇を寄せる。

「ふ、ぁっ!?」

 彼がいったいなにをしているのか、目で見ても頭が理解してくれない。

「お、おにいさま……っ!」

 ふたつの乳頭を、同時に舐められている。
 もしひとつずつそうされたとしてもたいへんな衝撃だったと思う。
 それなのに、ふたつの乳首を一緒くたに彼の口に含まれている。頭のなかが沸騰してしまいそうだった。
 カタリーナが動転していたからか、ルイスは「ちゅぷっ」と水音を立てながらおもむろに顔を上げた。

「ほかの男に――ロナウドにこういうことをされるのを、きみは想像できる?」

 悲痛な面持ちで義兄が問うてくる。

「……っ」

 カタリーナはなにも答えることができない。
 ただ――その場面を想像すると、涙があふれた。
 もともとしわを刻んでいたルイスの眉間がいっそう険しさを増す。

「きみを泣かせたいわけじゃ、ない……」

 そうして彼は、力なくうなだれた。

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