青年侯爵は今日も義妹をかわいがる 《 第五章 12

 彼の声音に、ゾクッと背すじが震えた。寒いだとか、嫌な予感だというのとはまったくべつの震えが走る。
 ルイスはカタリーナのなかからそっと指を引き抜き、代わりに自身の大きなそれをあてがった。

「痛む、かも……しれない。カタリーナ、いい……?」

 痛むと聞いて不安げな顔になったカタリーナをなだめるようにルイスは彼女の体を撫でさすった。
 ルイスはそれ以上なにも言わなかった。無理強いせず、カタリーナの返事を待つ。

(ルイスさまと、ひとつに……なる)

 それがどういう状態なのか、どんな心地になるのかまったく想像できない。
 それでも、内側をほぐされたせいなのか、体は彼を欲しているようだった。ヒクヒクと震えて、空虚なそこを埋めてもらうのを待っているような気がする。
 カタリーナは思いきって「どうぞ!」と叫んだ。
 ルイスの両手がピクッと跳ねる。

「え――……カタリーナ?」

 やけになっているのでは、と心配したらしいルイスがカタリーナの顔をのぞき込む。

「カタリーナ、こっちを向いて」

 体をくるりと回転させられ、彼と向かい合う。

「僕の腕をしっかりにぎっていて。引っかいてもいいから、強くつかんでいて」

 カタリーナはうなずきながらルイスの両腕に手を添えた。

「……本当に、いいの?」

 いささか苦しげな表情でルイスが確認してくる。カタリーナは、今度は落ち着いた声音で「はい」と返事をした。

(どうなるのかわからないけれど……ルイスさまと、つながり合いたい)

 求められているから応えるというだけではない。彼とそうなりたいということに自分の意思も含まれている。
 ルイスは「んん」とうなるように言ったあとでカタリーナの両脚を左右に広げて押し上げた。
 その真ん中に自身の肉竿を当てがい、腰を進める。

「――ッ」

 切っ先が沈み込んだだけでは痛みはなかった。
 大きな塊がどんどん侵入してくる。

「アァ、ァッ……!!」

 ある一点を過ぎるとき、すさまじい痛みに襲われた。

「痛い? カタリーナ」

 悲痛な面持ちになって、ルイスは腰を押し進めるのをやめる。
 ドクン、ドクンと心臓の脈動に合わせてズキズキと痛む。そのせいで目を開けられなかった。
 まぶたに柔らかななにかが当たる。ルイスの唇だ。

「ん……」

 顔じゅうにくちづけを落とされた。
 額、こめかみ、まぶた、鼻の先、頬、それから最後に、唇。
 時の流れる早さが遅くなってしまったのではないかと感じるくらい緩慢に唇を食まれる。
 そうしているあいだに痛みは和らいでいった。

「愛してる、カタリーナ。僕の……最愛のひと」

 甘い言葉を聞けば、つながり合っている部分がきゅんっと疼く。
 カタリーナはルイスの体に腕をまわして、力いっぱいしがみついた。

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