氷の王子は花の微笑みに弱い 《 終章 04


「あ、くすぐったい……っ、です」
「んん」

 サディアスはふたたび舌をのぞかせて、アリアのふくらみに頬ずりをしながら、先ほど舐めたのとは別の、乾いているほうを舌先でつつく。

「はぅ、う……んん」

 じっくりと舐≪ねぶ≫られると、素早くそうされるときとはまた違った――じれったい快さに苛まれる。
 彼の唾液に濡れていた左側の屹立を二本の指で挟まれ、その中心をグニグニと押し込まれる。
 アリアが脚を擦り合わせると、サディアスの左手が脇腹から腰を撫でて付け根へと伸びていった。ドレスの白布をかき分けて、揺れ動く秘所に潜り込む。
 彼の手がそこに入り込んできたからといって、脚を広げることはできなかった。そんなことをしたら、さも「さわって」と言わんばかりだ。
 アリアが脚を閉ざしたままでも、サディアスは気にかけず和毛を人差し指に絡め、親指で割れ目をたどった。
 秘裂はなかの蜜が染み出して濡れていた。サディアスは口角を上げて悦ぶ。
 指先が裂け目の表皮を緩慢に往復する。徐々に沈み込んで、やがて淫核に達した。
 快楽の源を右へ左へとなぶられる。アリアはなぶられるたび「ひぁっ、あぁっ!」と高らかに喘いだ。
 サディアスの指先が触れているところがジンッと疼いて熱くなる。
 花核を撫でつけるように押しなぶられると、下腹部が潤みをたたえていくのがよくわかった。
 サディアスは蜜壷に指を挿し入れ、なかの具合を確かめる。

「ふゎっ……!」

 突然の異物感に頓狂な声を上げてアリアは翡翠の瞳を大きく見開く。

「痛むか?」

 アリアは首を横に振る。
 痛みはない。驚いて、妙な声が出てしまったのだと言いたかったが、彼の指が体のなかに沈んだ状態ではうまく言葉を発せなかった。わずかでも指が動けば、そこから快感の波が生まれて広がり、思考を鈍らせる。
 中指は濡襞の状態を慎重に確かめながら奥へと進んでいく。

「んく、うぅっ……」

 隘路がどれほどの長さなのか、アリアにはわからない。ゆえに、サディアスの指がどんどん奥へと進んでいくことに焦燥感を覚えた。

(どこまで入っていくの……!?)

 いったいどれだけ奥行きがあるのだろう。そこに指を沈められるだけでも恥ずかしいというのに、いつまでも指が突き当らないのでますます羞恥心が募る。
 恥ずかしさを紛らわそうと顔を両手で隠すと、サディアスの中指が行き止まりにたどり着いた。

「ンンッ!」

 最奥をつつきまわされ、いやがうえにも呼吸が荒くなり、喘ぎながら肩で息をする。

「きみのなかは窮屈だな……。それに、熱い」

 囁きかけられると、体の内側をくすぐられているような心地になった。いや、事実、そのようなものだ。体内に指をうずめられ、最奥を小突かれている。

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